カナガワ配列の導出過程


カナガワ配列に必要なキーは 【ア】,【イ】,【ウ】,【エ】,【オ】,【アイ】,【オウ】,【エイ】,【ヤ】,【ユ】,【ヨ】, 【カ】,【サ】,【タ】,【ナ】,【ハ】,【マ】,【ラ】,【ワ】,【ガ】,【ザ】,【ダ】,【バ】,【パ】キーおよび、 「。」キー,「、」キー,「ー」キーの27キー この27キーを頻度を考慮して打鍵しやすいよう配置しました。 キー頻度の資料としては  渡辺定久, 中野洋: 国語の文章における仮名の使用状況について,   日本文入力方式研究会資料, 12-2 (1983年11月)(資料1)  DvorakJP-文字頻度表(資料2)  かな出現頻度調査(資料3)  Weblog 61℃-10万字サンプルにおける 2-gram 頻度。(資料4)  ローマ字入力でもなく、かな入力でもなく-100万字日本語かなn-gramデータ(資料5) を利用しました
図1.行キー等の相対頻度 各資料をもとに集計を行い、段キーの打鍵頻度について【カ】キーを100としたときの相対値をあらわしています。 図2.段キー等の相対頻度 各資料をもとに集計を行い、段キーの打鍵頻度について【オ】キーを100としたときの相対値をあらわしています。 カナガワ配列ではア段補完機能により【ア】キーの頻度はかなり低くなります。 (【ア】【ヤ】【オウ】キー等の打鍵頻度は2文字の連なりを解析する必要があるので、十分な資料がある資料4,5のみから算出しています。) これらを参考に、キーの配置を考察しました。
  1. 段キー等の頻度はおおむね 【オ】>【イ】>【ウ】>【エ】>【ン】>【アイ】>【ヨ】>【ア】>【オウ】>【ッ】>【エイ】>【ヤ】>【ユ】>【ー】 行キー等の頻度はおおむね 【カ】>【タ】>【サ】>【ナ】>【ラ】>【マ】>【ハ】>【ダ】>【ガ】>【ザ】>【ワ】>【、】>【バ】>【。】>【パ】 ⇒段キー,行キーの頻度上位4キーの、  【オ】,【イ】,【ウ】,【エ】キーおよび【カ】,【タ】,【サ】,【ナ】キー をホームポジションに配置します。
  2. 段キー等は上位4キー(【オ】,【イ】,【ウ】,【エ】キー)の頻度が圧倒的に高い (段キー等の打鍵全体のうち70%は上位4キーの打鍵が占める) 一方、行キー等は上位4キー(【カ】,【タ】,【サ】,【ナ】キー)の頻度は段キー等の場合ほど高くない。 (行キー等の打鍵全体のうち上位4キーの打鍵が占める割合は55%) ⇒上位4キーをホームポジションに配置すると、  段キー側ではホームポジション以外の打鍵は比較的少なく、  行キー側ではホームポジション以外の打鍵が比較的多いです。  そのため、器用に動く右手は行キーを担当し、  段キーは左手に担当させるのが良いと思われます。
  3. 各指にできるだけ均等に負荷がかかるよう配慮します。 また、人差し指は器用に動くが、担当するキーが多い(6キー)ので高頻度のキーを割り当てすぎないこと、小指は器用に動かせないので、小指は中段以外には高頻度のキーを割り当てないことを配慮します。 ⇒小指中段には高頻度キーを、人差し指中段には低頻度キーを配置します。
    ⇒1,2,3を考慮してホームポジションの配置を決めると、

  4. 【ア】キーについては 行キー⇒【ア】キー段キー の運指が多いので、【ア】キーは他の段キーとは同じ指に分担されないよう配慮しました。 (ただし【アイ】キーがあるため【ア】キー⇒【イ】キーの運指は使用されないので、 【ア】キーと【イ】キーはおなじ指に分担してもかまわない) 同様に【ヨ】キー⇒【ウ】キーの運指もおおいので【ヨ】キーと【ウ】キーは異なる指に分担されるよう配慮しました。

以上のことを配慮して、 となりました。 各指の打鍵頻度を資料5をもとに算出すると 右手は人差指29% 中指27% 薬指25% 小指19% 左手は人差指27% 中指27% 薬指24% 小指22%と均衡をとっています。
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