対数九九 補正法

対数九九は概算なので精度はそこまで求めてないですけど、補正は出来るので説明しておきますね。

値の補正法

対数九九の真数は2.3%刻みで割り振っています。たとえば501の次の真数はその約2.3%増しの513です。 であるので、あたえられた数を対数九九に現れる真数に近似するとき 1%強の誤差(第一の誤差)が発生しうることになります。 先の例でいえば、507を対数変換するとき507を501に近似するので、 乗除算した計算結果は-1.2%程度の誤差が発生します。 2数の掛け算割り算なら、2.3%程度の誤差が発生しうることになります。 このほか真数⇔対数変換でも誤差(第2の誤差)が発生します。 たとえば、対数九九では102dec1としていますが、 対数表の正確な値はlog1.0233=0.01であり、 これを102dec1と近似しているのです(誤差0.32%)。 この2種類の誤差により誤差が最大になるのは1.155を1.17に近似したときで、 1.155×1.155=1.334の計算では  117dec7 から 7+7→ dec14は138となって、誤差+3.4%となってしまいます。 ただし、第一の誤差は補正方法があります。 1%程度の誤差が発生したとき、それを憶えておいて、 計算の最後に帳尻合わせをしてやればよいわけです。 例1 1.60×4.11 の場合 1.60→158dec20 では-1%程度の誤差が発生 4.11→4.07dec61でも-1%程度の誤差が発生 dec81は6.46だけど、+2%程度の補正が必要なので補正後の値は dec82 で答えは6.61 (電卓で計算した答え 6.567で誤差+0.5%) 例2 1.60×4.06 の場合 1.60→158dec20 では-1%程度の誤差が発生 4.06→407dec61では誤差ほぼなし。 dec(20+61)で6.46だけど、+1%程度の補正が必要なので補正後の値は 6.46+0.06=6.52 (電卓で計算した答え 6.496で誤差+0.3%) 例3 1.60×4.03 の場合 1.60→158dec20 では-1%程度の誤差が発生 4.03→407dec61では+1%程度の誤差が発生。 dec(20+61)で6.46であり、掛ける数と掛けられ数の誤差が打ち消しあうので補正は不要。 答えは6.46 (電卓で計算した答え 6.448で誤差+0.2%) 例3 1.60÷4.03 の場合 1.60→158dec20 では-1%程度の誤差が発生 4.03→407dec61では+1%程度の誤差が発生。 割られ数に-1%の誤差が発生したときは計算結果に+1%の補正が必要であり、 割る数に+1%の誤差が発生したときは計算結果に+1%の補正が必要であるので、 答えはdec(-100+59)を+2%補正してdec(-100+60)となり 答えは0.398 (電卓で計算した答えた0.397で誤差0.2%)

テクニック

暗算中に、どれだけ補正が必要かを憶えておくのは大変なので、 以下のように指で記録しておくのが良いと思います。   ・+1%補正が必要なときは人差し指を立てる。    +2%補正が必要なときはさらに中指も立てる。   ・-1%補正が必要なときは小指を立てる。    -2%補正が必要なときはさらに薬指も立てる。 また   「掛け算」「割り算の割られ数」では、目標の数に対し真数が     ・ショートしたら人差し指(あるいは中指)を立てる     ・オーバーしたら小指(あるいは薬指)を立てる   「割り算の割る数」では、目標の数に対し真数が     ・ショートしたら小指(あるいは薬指)を立てる     ・オーバーしたら人差し指(あるいは中指)を立てる と憶えておくと良いでしょう。
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